3/13/2010

Percy Jackson & the Olympians: The Lightning Thief

パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々(☆☆)


ゲームのような映画、ということがある。いまではゲームを原作にした映画も珍しくない。本作はベストセラーのファンタジー小説を原作にしているのだが、これがまた、文字通り「ゲームのような構成」の映画で、思わず笑っちゃうのである。

まず、イントロで物語の説明が行われる。いわく、主人公はポセイドンの血を引くデミゴッドであり、ゼウスの雷撃を盗んだ嫌疑をかけられている、と。雷撃を欲するハデスにさらわれた母親を救い出し、ゼウスの疑いを晴らさなくてはならない、と。次は、チュートリアルが待っている。神の落とし子たちを集めたキャンプをステージに、ミノタウロスとの戦いやフィールドでの訓練で基本的な戦い方を教わるのだ。今後必要となる武器・アイテム・仲間を受領したら次に進もう。

キャンプをでたら、マップを手がかりにお宝を集めるクエストが始まる。アメリカを横断しながらステージを移動し、メデューサ、ヒドラと強力な中ボスを倒すごとに特殊な「真珠」をゲットしていく。ドラッグの迷宮を越え、3つ目の真珠を手に入れたら、冥界ステージへ移動だ。冥界でハデスと戦って母親を救出すれば、いよいよ最終ステージ。ここまできたらあとは簡単。幾分弱めの「雷撃泥棒」を倒してやると、オリンポスへの扉が開き、あとは勝手にムービーが流れてゲーム終了・・・って、そんな感じ。

まあ、それ以上でもそれ以下でもなく、語ることも何にもない。金のかかった大作なのに安っぽくて、「退屈な子供向けハリウッド映画」の見本のような作品である。原作は5部作だというが、続編企画がなくなっても驚かないし嘆きもしない。

クリス・コロンバスは「ハリー・ポッター」1作・2作の監督で、本作を手がける20世紀FOXでは、7本の監督作、4本の製作作品を手がけ、多くのヒットを飛ばしている。そんな流れで本作の指揮を任じられたのは想像に難くないが、この人選、正しかったのか。この人、もともとこういう仕掛けの大きな作品よりも、もっと規模の小さいコメディ作品で良さが出るタイプ。ハリー・ポッターのせいで本人も、周りも、何かを勘違いしてしまったんじゃなかろうか、と思っている。ショーン・ビーン、ウマ・サーマン、キャスリーン・キーナー、ロザリオ・ドーソン、ピアース・ブロスナンと、脇役がわりと豪華なのだが、みんな無駄遣いでもったいない。

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