4/09/1999

GO

GO(☆☆☆)

出演はサラ・ポーリー、ケイティ・ホルムズ、デズモンド・アスキュー、タイ・ディッグス、ウィリアム・フィッシュナ-、ジェイ・ムーア、ティモシー・オリファントなど。メインとなる出演者が若いのでいわゆる「ティーンもの」かと思ったら、一風変わった犯罪コメディだった。

『スィウィンガーズ』(未見)で注目を浴びたダグ・リーマン監督の新作で、ドラッグ取り引きとその顛末を描いている。話そのものはたいしたものではないのだが、構成と物語の語り口で見せる映画である。インディペンデントのクールな映画、といえばよく聞こえるが、どちらかといえば、「こういうのってクールでしょ?」と押し付けてくる感じが少し、鼻につく、かも。

まあ、クエンティン・タランティーノの「パルプ・フィクション」みたいなことをやってみたかったのかな、と思ったりする。なにせ、この映画、時間軸がねじ曲げられ、最初のエピソードで提示されたシーンが、別の視点からみたエピソードの中で反復され、そこで別の意味を付与され、度は別の物語を構成する要素になっていくというようなかたちで、3つのエピソードが絡み合っていくのである。ただし、これらは独立した話ではなく、あくまでひとつの事件を複数の視点から再構成したものになっていて、最後は一つのところに気持よく収束していくのである。

少しはモノマネっぽいところがあるのだが、104分、無駄なくコンパクトにまとめた構成力はたいしたものだ。また、この作品には、低予算ゆえの荒っぽさや安っぽさ、キャストの若さなどが、勢いになっているという魅力がある。中心的なキャラクターの一人を演じるサラ・ポーリーなど、なかなか良い面構えの女優だと思った。

コロンビア映画のタイトルに、本編がインサートされて始まる出だしはなんかは、ちょっと、凝り過ぎの感はあるがカッコ良かった。まあ、あんまり本質と関係のないそういう小細工が目立ちすぎるきらいはあるんだけどね。

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