3/12/2011

Wing Commander

ウィング・コマンダー(★)

しまったー!予告編を見た時からそこに漂う地雷臭は明らかだったのに、宇宙空間を舞台に壮大なストーリーと戦闘が繰り広げられるっていうから、ついつい釣られて映画館に足を運んでしまったじゃないか!

これがまあ、ひたすら退屈な、3時間くらいに感じられる1時間40分。

この映画、ビデオゲームの大ヒット作、『ウイング・コマンダー』シリーズの映画化なんだそうですよ。当方、ゲームはやらないので遠くで噂に聞く程度の名前だったんだが、マーク・ハミル(ルーク・スカイウォーカー!)らが出演する実写映像がふんだんに盛り込まれて、一種、インタラクティブ・ムービーみないになっているんだそうだ。

それがSW復活でSF映画が盛り上がるこの時期に、劇場用映画として登場することになったという次第。ゲーム版の実写部分で監督を務めていたクリス・ロバーツが原案を提供し、監督。脚本は(同じくゲームの映画化である)『モータル・コンバット』のケヴィン・ドローニー。テーマ曲のみだが、デヴィッド・アーノルドが作曲。

ここのところハイスクールもので活躍中のフレディ・プリンゼJrやマシュー・リラードに、フロン・バロウズらの若手に加え、チャッキー・カリョ、デヴィッド・ワーナーらのベテランが出演しているっていうから、それなりの作品になるのかなぁ、と。

でも、映画を見て思った。これは、ゲーム界の人間の「ストーリー・テリング」なんて、所詮はこんなものと陰口を叩かれるために作られた作品に違いない。陰謀だ、そうだ、きっとそうなんだ。

よく見てみれば、配給はフォックスなんだけど、製作母体はゲーム製作元をはじめとした独立系。それゆえか、あちこちに貧乏臭さが出ていて、見ていて悲しくなってくる。

世界観を決めるさまざまな設定にせよ、衣装やメカニック、小道具のデザインにせよ、敵であるエイリアン・クリーチャーの見てくれにせよ、全てのイメージがどこかの借り物。しかも、VFXはやっつけ仕事。いや、元々のゲームがオリジナリティのかけらもなく「借り物」イメージの集合体だったんだろうと思うんだ。しかし、映画館のスクリーンで見せるレベルじゃないだろ、これ。

予算がないならないで、それを逆手に取った見せ方の一つや二つあってもいいのに、それもない。

そもそもストーリーがつまらない。ストーリーがあったというのならの話だが。ドラマも何もなく、緩急も何もなく、ただただ戦闘シーンがメリハリもなく続いていくだけなんだよね。あ、ゲームなんだから当たり前か。くだらなさをあげつらって楽しむには、真面目すぎ。作り手の意図しないところでトンデモ映画になっているわけでもなし。

そりゃ、SW前に投げ捨て公開もするわけだ。その後じゃ、誰も見向きもするまいて。元ネタのゲーム好き意外、近寄らないことをおすすめする。

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