7/03/2010

The Extraordinary Adventure of Adel Blanc-Sec

アデル ファラオと復活の秘薬(★)

リュック・ベッソンが監督する作品を見るのは久しぶりだ。『Angel-A』があまりにも酷くて存在を忘れていたくらいだったが、それ以来である。最近は軽量娯楽映画のプロデューサーに専念しているものだと思っていたが、「アーサーとミニモイ」シリーズ(未見)で監督に復帰し、本作、である。10本撮ったら引退するなどと公言していたのはなんだったのか。別に面白い映画を撮ってくれるなら前言を幾度撤回してくれようが全く構わないのだが、こんなレベルの作品しか作れないなら、10年前に引退しておくべきだったと本気で思うね。

いやはや。

まあ、日本の配給が展開しているかつての東宝東和級ハッタリ宣伝を真に受けてはいけないのだが。それにしてもこれは辛い。酷い。つまらない。

仏コミックの映画化だという。主役以外のキャラクターには、原作のルックに近づける特殊メイクを施したりしているという。まあ、ウォーレン・ビーティが20年前に『ディック・トレイシー』でやっていたようなもんだと思えばいいのか。お話しは「インディアナ・ジョーンズ」風になるのかと思いきや、パリで「ナイト・ミュ-ジアム」という肩透かし。あなたは、笑えないコメディが延々と展開される苦痛にどこまで耐えられるか?全く以て観客の忍耐力が試される展開である。

だいたい、高度な技術を持つ古代エジプトの医師を蘇らせて、ほぼ死んでいる状態の妹を救うというメイン・プロットなのだが、いいですか、ミイラを復活させることができるのなら、端っから妹を蘇らせれば済むはなしじゃん。終了。

ま、愛人にしたい女を口説き落とすため、主演に立てて映画を作っちゃった、ってなところが真実だろう。その女優がよければまだ救いがいもあろうものを、人気のあるお天気キャスターだかなんだか知らんが、目も当てられない大根演技。まあ、ミラ・ジョボヴィッチだって似たようなものだったといえばそうなんだけど、女優以外に見所のない作品で、女優がダメだってのは致命的である。

唯一笑えたギャグは、ルーブル美術館からぞろぞろ出てきたミイラ様ご一行がひとこと、「これはなかなか素晴らしい場所だ、ぜひともピラミッドを立てるべきだ」。もしかして、このギャグがやりたかっただけなのか?そうなのか?そうだっていうなら、全て許してやってもいいぞ。(映画の舞台は20世紀初頭。現在、その場所には賛否両論あるガラスのピラミッドがそびえ立っているのはご存知のとおり。)

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