6/04/1998

Scream 2

スクリーム2 (☆☆)

前作の「ウッズボロー連続殺人事件」から2年後、大学に進学したシドニー。前作での出来事が映画化され、先行試写が行われている会場で新たな殺人事件が起こる。それは、あの忌まわしい事件を模写するかのような連続殺人の始まりに過ぎなかった。前作の生き残り組であるコートニー・コックスやデイヴィッド・アークエット、ジェイミー・ケネディ、リーヴ・シュライバーらに加え、サラ・ミシェル・ゲラーやオマー・エップス、ジェリー・オコネルらが新たにキャスティングされている。前作の仕掛け人、ケヴィン・ウィリアムソンが再び脚本を担当。監督も同じく、ウェス・クレイヴン。

前作でも「『エルム街の悪夢』は最初のだけ。あとはクズ」なんて台詞があったが、「続編はつまらない、が、3部作のパート2は別の話」などという続編談義を堂々とやってのける挑発的な、続編。その趣向はもちろん、期待や予想の範囲内ではあるが、自らも続編の罠にハマってしまったのではないか、という気がする。「続編では死体の数が増え、殺人方法が残虐になり・・」と云っておきながら、そういう安易な続編と同じことをやっているのはパロディなんだろう。しかし、残念ながら、そこに前作にあったサスペンスはない。

前作にあった携帯電話のトリックに代表される秀逸なシチュエーション作りは影を潜め、表層的な「犯人当てごっこ」映画に落ちているのが今回の作品だ。思えば、前作h単なるスラッシャーでも、単なるパロディでもなく、サスペンス映画としても秀逸な作品であった。それに比べると、ゲーム感覚ばかりが強くなった本作は、やはり安易な続編と呼ばれても仕方がない。

新しいキャラクターの多くに関しては造形が不充分だったり、主人公との関連付けが不充分だったりして、例え犠牲になったとしても見ている側の感情が喚起されない。そもそも、誰が殺され、誰が生き残るか予想がつきやすい。そこは、本作の中での描写も含めた、キャラクターの生命力とでもいうものの違いだろう。

連続殺人事件を中心にしたシリーズゆえ、作ったキャラクターを次々殺し、消費していかなくてはならないのが宿命である。そのあたりが、どうしても物語づくりの選択肢を狭めているようで、窮屈に感じられる。

オリジナルの成功を受けて雨後の竹の子のように製作され始めた「青春ホラー」映画群の中では頭一つ抜きんでたその存在感は否定しないが、やはり「続編」は続編でしかなかったという落ちがついてしまった『スクリーム2』。シリーズ完結編がどっちの方向に向かうのかが気にかかるところだ。(1998/6)

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