9/17/1999

Blue Streak

ブルー・ストリーク(☆☆★)

プロの強盗団の中心人物として、巨大なダイヤを盗み出したのつかのま、仲間の裏切りにあって警察につかまってしまう主人公。しかし、逮捕直前に機転を聞かせ、工事中のビルのダクトに宝石を隠すことに成功するのだった。2年が経過して、刑務所をでた主人公は隠しおおせた宝石を取り返しに向かうのだったが、そのビルはなんと警察署になっていた!

『バッド・ボーイズ』ではウィル・スミスと、近作の『ライフ』ではエディ・マーフィと共演したマーティン・ローレンスが晴れて一枚看板となった本作。例えていえば、ニック・ノルティやダン・エイクロイドとコンビを組んでいたマーフィが『ビバリーヒルズ・コップ』で華麗に一本立ちしたことを思えば、本作にはそれだけのパワーはない。まあ、お好きならどうぞ、あるいは暇つぶしにどうぞ、というレベルか。

しかし、アイディアは面白い。プロの強盗であるマーティン・ローレンスは、転勤になった刑事のふりをして署内に侵入するのだが、それだけではすまない。刑事として捜査の一線に立たされてしまい、、成り行きとは云え大活躍してしまうという展開が馬鹿らしくていいじゃないか。

残念なのは、そんな無茶な展開に、それなりの信憑性を与えられるディテールに欠けること。大嘘をつくためには、小さなリアリティの積み上げが欲しいと思うのだ。ほとんど無名な脚本家たちの作だから、多くを求めても仕方ないのかもしれないけれどね。

しかし、まあ、監督のレス・メイフィールドは、雑な脚本と暴走気味の主演俳優を与えられてもテンポよく話を運んで快調そのものである。すっかり家族向け映画のプロデューサーと成り果てたジョン・ヒューズ御用達なんぞに落ちついてしまったかと思いきや、コメディ描写はともかく、クライマックスのアクションも歯切れがいい。

主演のマーティン・ローレンスは演技が面白いというより、無理に笑いを取ろうとしている感じがちょっと弱い。また、彼には映画を一人で支えるだけのオーラが、まだ備わっていないのである。あと少しなんだけどね。

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