ボディ・ショット(☆)
ニューラインの宣伝曰く、「60年代の卒業、70年代のサタデーナイト・フィーバー、80年代のブレックファスト・クラブのように時代を定義する作品がある・・そして、今。」
本当か?
正直にいって、この程度の作品に時代を、世代を定義されるのは迷惑至極なんだけどな。宣伝も困った末のハッタリなんだろう。時代を定義する作品を、限定マーケットで公開ってあり得ないもんな。
それはさておき、映画は現代を生きる20代の男女8人の、恋愛観やセックス観が交差する一夜の出来事を描いていくものである。ショーン・パトリック・フラナリー、ジェリー・オコネルらが共演。『アメリカン・ヒストリーX』が話題になったデイヴィッド・マッケンナの脚本である。ケーブル局が制作したTV映画『GIA』が話題になった、マイケル・クリストファーの劇場作品監督デビュー作。もともと脚本、役者としてTV中心に活躍していた人のようだ。
ショーン・パトリック扮する人物と恋人のところに、デートレイプされたといって取り乱した友人が現れるところで幕を明け、前日の夜に戻って男女8人4組が過ごした一夜を描いていく。ダンスフロアで強いカクテル「Body Shots」を交わす4組のカップル。終盤レイプの顛末が描かれ、その事件を乗り越えた前述のカップルのシーンで終わる。その間に登場人物がそれぞれカメラ目線でいろいろ語りかけてくる趣向だ。
スタイル自体は今となっては珍しくないが、統一感のある色彩設計やマーク・アイシャムのジャズが入ったけだるい音楽によって、まずまず見た目のスタイルとしてはまとまっている。
ただ、つまらないんだよ。カッコをつけたスタイルと、実はそれなりにヘヴィーで辛気くさい内容もあっているとは思えないし。
ハリウッド的なメインストリームから背を向けて、都会的で深刻でスタイリッシュなドラマを作ろうと志向すればするほど、つまらない映画ができあがる法則でもあるかのような気がしてくる。アンチ・ハリウッド的な意味で、こういうのを過度に褒める人もいるけど、それはなんか違うんじゃないか。
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