8/16/2008

Starship Troopers 3 : Marauder

スターシップトルーパーズ3(☆☆)

ポール・ヴァーホーヴェンの製作への復帰や、シリーズの脚本家エド・ニューマイヤーの監督デビュー、第1作のヒーローであるジョニー・リコ(キャスパー・ヴァンディーン)の再登場、ブラックでシニカルなユーモアの復活、そしてついに登場するパワードスーツなど、話題にこと欠かないシリーズ最新作であるが、勘違いしてはいけないのは、前作と今作はシリーズ第1作とは異なり、そもそも劇場公開を前提としないビデオ・マーケット向けに作られたもので、当然、製作規模から何から根本的に異なるという点だ。デジタル技術の発達で、低予算でもそこそこ見られるVFXを実現できるようになったからかろうじて成立しているものの、そもそも並べて比較するようなレベルの品質を保てているわけではない。

そういう意味で、シリーズ1作目とはテイストが違い、これでは『遊星からの物体X』だろう、などと悪口を言われたフィル・ティペット監督による前作のほうが、低予算映画としてのセンスと戦略が光っていたと思う。今作には「歌う指揮官」とか、宗教の問題だとか、脚本家としてのエド・ニューマイヤーの思いついた面白いネタや、もう少し突っ込めば面白くなったであろう題材は散見されるのだが、基本的には第1作の縮小再生産にしかなっていないのである。なんでもいいからあのテイストで楽しませてほしい、という向きにはこれでもいいのかもしれないが、これだったら第1作を繰り返し見ているほうが楽しいだろう。

VFXは予算なりで、頑張ってはいるものの安っぽい。主演に復帰したキャスパー・ヴァンディーン自体も安いといえば安いが、そのほかのキャストはもっと安いし、演技もそれなりである。売り物のひとつだったパワードスーツ「マローダー」は、デザインがもっさりしているし、あまり活躍しないうちに映画が終わってしまうので、原題サブタイトルにまでしてアピールするのは反則技のように思われた。

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