2/12/1999

My Favorite Martian

ブラボー火星人2000(☆☆)

NASAの火星探査の及ばぬ先に火星人たちは先進の巨大文明を築いていた!TV局の冴えないプロデューサーの目の前に事故で落下してきた宇宙船に乗っていたのは紛れもない火星人。珍騒動の末、宇宙船の修理に協力することになったプロデューサーだったが、彼の周りには更なる騒動が待ち受けていた・・・という、60年代のTVシリーズ『ブラボー火星人』を元にディズニーが作り上げたリメイク(というか続編なのか?)である。

出演はちょっと豪華で、ジェフ・ダニエルズ、クリストファー・ロイド、エリザベス・ハーレー、ダリル・ハンナという面々。監督はダニエル・ペトリ。

映画会社としてのディズニーが本当に強いと感じるのは、長編アニメ大作や『アルマゲドン』のようなブロックバスターではなくて、本作のように比較的低予算で、とりたてて大きな欠点のないコメディを作り、市場が家族向け作品に飢えているタイミングにきっかりとリリースし、旨味のある商売につなげるところだったりする。

ダニエル・ペトリねぇ。前作『チャンス!』はインベストメント・バンキングにおける男性優位をサラリと批判して見せて、ちょっと面白いコメディだった。が、監督としては軽いコメディを中心に、可もなく、不可もなく作る役割を担っている人、という印象である。まあ、本作もそういう範疇。あんまり志が高くない脚本なりの出来栄えである。退屈だった『キャスパー』の脚本家チームの作だし。

映画の始まりは結構面白い。NASAの火星無人探査機のバッテリーが切れ、探査できなかったその先に火星の文明があった・・というのはジョークとして秀逸で、ヴィジュアル的にも笑ってしまう。ただ、実際に「火星人」と「喋る服」が地球にやってきてからは、低レベルなギャグが騒々しく展開されるだけだ。いやしくも1本の映画にするのであれば、もう少し気の利いたギャグのアイディアがいるだろう。

かなり粒が揃ったキャストの中でも、一番芸達者といえるクリストファー・ロイドが、「地球人形態になっている時の火星人」を演じているのだが、さすが、ドクター・エメット・ブラウン(『バック・トゥ・ザ・フューチャー』)、この人の演技は、終始リミッターがぶちきれたような勢いで暴走する。そりゃあ、面白くはあるんだけれど、映画全体を騒がしく、落ち着きがないものにしてしまったな。

個人的には性格の悪い役を嬉々としてこなすエリザベス・ハーレーや、久しぶりに見たのに容姿が変わらないダリル・ハンナの鼻にかかった声とか、本筋とは違うところで楽しんだ。 関係ないついでだが、「G指定」とは云え『真夜中の呪文(アメージング・ストーリーズ』を髣髴とさせるクリストファー・ロイドの「ばらばら生首」が出てきて、これまたびっくり。血が流れないから?火星人だから?米国のレイティング・システムは偽善だよ、全く。

0 件のコメント:

コメントを投稿