7/23/1999

Inspector Godget

Go Go! ガジェット(☆☆)

人の役に立ち正義を守ることに生きがいを感じている青年が警備員として駐車場で働いていたところ、事件が発生、犯人を追跡して追い詰めるも逆襲され瀕死の重傷を負ってしまう。そんな彼が、最新のロボティックス技術を使って「インスペクター・ガジェット」として再生し、身体のなかに内臓された様々な装備を駆使して犯罪に立ち向かう。

人気のあったカートゥーンシリーズをディズニーが実写映画化んだそうだ。元ネタは日仏合作の「ガジェット警部」だそうだ。知らなかったな。主演にマシュー・ブロデリック、敵役にルパート・エヴェレット。監督はデイヴィッド・ケロッグ。

この手の映画がしばしば陥る問題点は。どこかで「子供向きだからこの程度でいいだろう」としてしまう手抜きにあるだろう。いわゆる「子供だまし」というやつだ。本作もまた、残念ながらそういう一本。大人の鑑賞に堪える出来ではない。

死にかけていたとは云え一般市民をかってにサイボーグ化し、正義の味方として再生するということで思い出すのは、『ロボコップ』だ。アニメだと許容できても。実写でやると、役者の身体性に起因する生々しさが先に立ち、倫理的問題や、本人のアイデンティティの問題などがどうしても気になってしまう。そこに深入りするつもりがないのなら、いっそ、最初から、サイボーグ(改造人間)ではなく、ロボット(人造人間)としたほうが良かった。

物語の展開もご都合主義どころの騒ぎじゃない。ガジェットを動作させるチップが壊されてしまい、実質的に「死亡」した状態から蘇らせるシーンで、チップもなく、理由もなく、突然蘇生するというのは何事か。せめて「こういうこともあろうかと予備のチップを作ってあったのだよ」くらいの展開がないのは何故だ。

まあ、ことほどさように、あんまり頭を使っていない作品ではある。

かつての青春スター、マシュー・ブロデリックは小遣い稼ぎのつもりで出演したのだろうか。CGの洪水のなかで溺れている彼を見ているのはちょっと悲しくなる。一方、悪役のルパート・エヴェレットはいかにも楽しそうに怪演していて、それが本作の救いと言っても差し支えないだろう。

最近ディズニー実写ものを立て続けに担当しているジョン・デブニーが担当したスコアが楽しいこと。小ネタ的なギャグとして、「ニセ・ガジェット」に襲われた街で逃げ惑う人々のなかに日本人らしき人が登場してなにかわめきたてると字幕で「これがいやだから東京を脱出してきたってのに!」っていうのがゴジラ絡みのネタだろうけど、思わず笑ってしまった。

この映画ではあからさまに提携企業の製品やロゴが登場する。代表はマクドナルドで、全米のマクドナルドが展開中のインスペクター・ガジェットを使ったキャンペーンなどと連動しているわけだ。ちょっと目立ちすぎで嫌味に感じるのだが、どうだろう。

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