2/20/2011

A Better Tomorrow (2010) 무적자

男たちの挽歌 A BETTER TOMORROW (☆★)

まあ、場内の客層が、かつてあの名作に心を撃たれた人々というより、茶の間で韓流テレビドラマでも見ている感じの人々だったので嫌な予感がしたですよ。ええ。でも、ジョン・ウーその人がこの脚色を面白いと思い、製作総指揮に名を連ねているというからわざわざ足を運んでみたわけなのだが。

そりゃ、北朝鮮からきた兄弟として、ホーとキットに相当する二人の絆や愛憎を掘り下げるというアプローチもよいとは思うのだけれど。あの「男たちの挽歌」は、やっぱり、あの役者、あの台詞、あの音楽があって『男たちの挽歌』だったのであり、これじゃないんだ。ごめん。

監督のソン・ヘソンは、なんでもタルコフスキーが好きらしいのだが、そんなやつに『男たちの挽歌』を撮らせちゃいかんだろ。

だいたい、長い。123min 。オリジナルは95分だぜ。前日譚というか、物語のバックグラウンドを説明するためだけに尺をとりすぎており、かったるくてたまらない。役者がどれもこれも中途半端にイケメンなのも困る。音楽が湿っぽいだけなのも違う。銃火器によるアクション・シーンはさすが徴兵制の国だけあって(?)迫力満点だが、植木鉢に拳銃を隠すところくらい敬意を払って再現して欲しいものだ。

それに何よりも、マークの「もう頭を下げるのは嫌だ、物乞いは御免だ!お前を3年待ったんだ。二人で巻き返そう!(大意)」という絶叫がないんじゃ困る。足を洗いたいのに、自分の復讐のために足に怪我を負ったやんちゃな二兆拳銃野郎が涙ながらに絶叫して訴える。あそこでグッとくるんだろ。あれがなくって何が『男たちの挽歌』だ!台湾に飛ばされていたジョン・ウーの、ティ・ロンの心の叫びはどこに行ってしまったのか。なんかな、マーク役の役者にもキャラクターにも、あのチョウ・ユンファの見せてくれた愛嬌というか、魅力がないんだな。

とまあ、『男たちの挽歌』を名乗る必然性も感じられないし、名乗るんだったらもうちっとしっかりしろよと思うのはオリジナル好きがゆえ。しかし、それを抜きにして新作の韓国アクション映画としてみても、平凡よりも下の部類だろう。この内容で120分越えなんて、それだけでセンスがないといっているようなもんだ。

0 件のコメント:

コメントを投稿