2/06/2011

RED

レッド(☆☆☆)


かつての凄腕たちが集まって大奮闘、といったら、『エクスペンダブルズ』と似てる?なんて云われてしまうんだが、いや、ぜんぜん違うぞ。あちらはリアルに「ひと昔前の名前」な人たち+αが、昔風の頭の悪いアクション映画を復活させたのがミソなんだが、こちらは、(年齢こそあれだが)現役トップクラスのベテランたちが集結して、「引退した凄腕エージェント」を楽しそうに演じるコミック原作のアクション・コメディ、なんだからな。

主演はもちろん、ブルース・ウィリス。ああ、この人も「引退」した年金暮らしを演じる年齢になったかと思うと感慨深いものがある。で、すごいのは共演者。モーガン・フリーマン、ジョン・マルコビッチ、ヘレン・ミレン、ブライアン・コックス、リチャード・ドレイファス、(なんと)アーネスト・ボーグナイン。あと、ヒロインがメアリールイーズ・パーカーで、ライバルがカール・アーバン。

まあ、モーガン爺さんとマルコビッチは平気でヘンな映画にも出る人たちだから、あんまり驚きははない。

・・・が、こういう映画にヘレン・ミレンが出ているというのは意外な印象である。

女王陛下まで演じた演技派の大女優が、バカでっかい銃器を抱え、プロの殺し屋を可愛らしく演じていいところを全部さらっていく。間違いなく本作一番の見所は彼女である。

もうひとつの見所は、いったい今いくつなんだという歳のアーネスト・ボーグナインの登場だろうか。私の世代だと、失礼ながら映画スターというより「エアウルフ」に出てたおっさんという印象のほうが強かったりするのだが、この人の独特の風貌を、21世紀のいま劇場でお目にかかれるとは思わなかった。ちょい役だが印象的。作り手の敬意が感じられる。

年金暮らしだか、かつての凄腕エージェントで、引退後(Retired)も超絶的に(Extremely)危険(Dangerous)とされるブルース・ウィリスが何者かの抹殺ターゲットになり、MI6からロシアのエージェントまで、昔の仲間(や敵)を巻き込んで背後の陰謀を暴いていくという話。まあ、昔関わった事件を口外されないようにするために、関係者の口封じをしようとしていたっちゅうありがちな展開だが、謎解きが主眼の映画ではないし、なによりコメディなので、これでよし、といったところである。

アクションはマンガっぽく派手だが、大味ではある。また、出演者の年齢にあわせてなのかなんなのか、演出のテンポがもっさりしていてキレが悪い。が、そのテンポが醸し出すお気楽ムードは悪くないと思う。あと、カール・アーバンが格好いい。見ているこちらは、もう、「ドクター・マッコイ」だと思っているんだが、あんなに筋肉質でアクションのできるドクターってのは凄いぞ(違)。

主要な登場人物の一人が死んでしまうが、あれを殺したのは映画のムードからしたら間違いだろう。せめてエンドクレジット後にひょっこり顔を出す、とかの遊びが欲しかった。まあ、役者との契約で、例えヒットしても1本限りとかになっていたのかもしれないが。

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