2/10/2011

The Green Hornet

グリーン・ホーネット(☆☆★)

j実はちょっと肩身が狭いのだが、ラジオドラマも、ブルース・リーの出演で知られるTVドラマも名前くらいしか知らない。そんなわけなので気楽にいえば、これはちょっと金がかかっていて、いつもより少しはしゃぎ気味のセス・ローゲン主演のコメディ映画である。監督はミシェル・ゴンドリーだが、脚本も手掛けるセス・ローゲンの色が濃厚。

簡単に言えば、ヒーローにあこがれるボンクラ2代目が、「偉大な父親の影を払拭し大人になる話」であり、「パートナーである有能なKATOとの男同士の幼稚っぽい友情と馬鹿騒ぎの話」である。だから、「スカッと爽快なヒーローもの」なんぞを期待すると肩透かしを食らうと思うのだが、ほのぼのと楽しいお気楽コメディとしては及第点。

残念なポイントは、『イングロリアス・バスターズ』で受賞後としては最初の出演作になるクリストフ・ヴァルツの役柄が思ったほどに面白くなく、彼の本気の実力を目にした後では拍子抜けしてしまうことか。でも、このがっかり具合は結構大きいな。

予想外によかったのは、Kato を演じる台湾のスター、ジェイ・チョウだ。ブルース・リーの代わりだと思えば無理があるが、この子犬のようなキュートさはちょっといい。セス・ローゲンとのコンビもしっくりきているし、基本がコメディであるという本作のテイストにもあっている。実現までに2転3転したキャスティングが、結果としてよいところに落ち着いたものだと思う。

付け加えると、今回は完全に脇役扱いのキャメロン・ディアスが、相変わらずコメディエンヌとしての勘所の良さを発揮していて好印象。やっぱり、この人はわかっている。

3D映画として作られているが、書割りのような不自然さのあるシーンも多いし、エンドクレジットが一番飛び出しているというあたりが失笑ものである。選択肢があるなら2Dで見てもいいレベル。ただし、中盤登場するスプリット・スクリーンでの3D演出は際立って新鮮だった。分割されたそれぞれの画面がサイズが変わったりするだけでなく、3Dで、前後に奥行きをもって配置されたり移動したりするんだな。これは今後、他の作品でも真似されて使われるんじゃないか。本作最大の収穫といえるかもしれない。(大げさ?)

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