9/11/2009

Night at the Museum: Battle of the Smithsonian

ナイト・ミュージアム2(☆☆☆)

ニューヨークの自然史博物館から、ワシントンDCのスミソニアン国立博物館に舞台を移しての第2弾、監督(ショーン・レヴィ)、脚本(ロバート・ベン・ギャラント&トーマス・レノン)も前作に引き続き続投である。もちろん、主演のベン・スティラーと、盟友オーウェン・ウィルソンも帰ってくるし、顔出し程度とはいえロビン・ウィリアムズのセオドア・ルーズベルトも再登場。新顔として、ここのところ絶頂のエイミー・アダムズがアメリア・エアハートを演じ、ベテランのハンク・アザリアが3役兼務で笑わせる。正直、映画の出来栄えはいまひとつなのだが、前作同様、盛り込まれたギャグが秀逸であるから、前作が気に入ったのなら緩いノリの本作もそこそこ楽しめるはずである。

個人的に、本作で一番のお楽しみは、やはりベン・スティラーとオーウェン・ウィルソンの迷コンビ復活、なのである。ベン・スティラー監督主演の怪作『トロピック・サンダー』では、いかにもオーウェンに当て書きしたような役をマシュー・マコノヒーが演じていて、少し寂しい思いをしたものだ。本作の「主演」というレベルでいえばベン・スティラーとエイミー・アダムズのカップルになのだろうし、オーウェン演じる役柄は比較的小さいものであることは否定できない。それでも、オーウェン・ウィルソンからのSOSを受けたベン・スティラーが、仕事をほったらかしてDCに向かい、オーウェン・ウィルソンの命を救うためにスミソニアンを走り回るというストーリー展開がミソなのである。

もうひとつのお楽しみは、古代エジプト王カームン・ラーを演じるハンク・アザリアだ。考えてみれば、前作はロビン・ウィリアムズが出ずっぱりで笑いを誘っていたわけだが、今回、その役割を担うのがハンク・アザリアというわけだ。素顔は見えないけれど爆笑を誘う「考える人」役と、作品の要になる「リンカーン大統領」役までこなしている事実で合点がいくだろう。今回もゲスト的に笑いを振りまくロビン・ウィリアムズほどのネームヴァリューに欠けるハンク・アザリアであるが、その芸の確かさと濃さは折り紙つき、今回、敵の大ボスを軽妙なトークでチャーミングなキャラクターに仕立て上げた。本作を水準まで押し上げる上での貢献が一番大きいのは、この男だといえるだろう。

いずれにせよ、スクリーンの裏側で作り手や出演者が楽しんでいる雰囲気が伝わってくるところがこのシリーズの良さであり、特徴だろう。まあ、2本で打ち止めにするのが良いとは思うけれど、展示物が貸し出された先で大騒動が起こるという設定で、世界各国行脚をしてもらうっていうのでも可、である。

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