10/14/2011

Green Lantern

グリーン・ランタン(☆☆)


上映終了間際にガラガラの映画館に滑り込んで見た。一応、ここのところ『カジノ・ロワイヤル』、『復讐捜査線』と好調なマーティン・キャンベル監督の新作ながら、Time Magazine の "Top 20 Worst Summer Blockbusters" に選ばれたっていうんだから、それがいったいどんな出来映http://www.blogger.com/えか気になるじゃないか。

件の20本のうち、既に18本までを劇場で金を払ってみている当方としては、そこにもう一本加わって19本になるというオマケまでついてくるわけで、これを見逃すわけにはいくまい。

で、ようやく見ることのできた『グリーン・ランタン』。「スーパーマン」、「バットマン」の2大ヒーローを抱えるDCコミックの人気作品ときく。それ以上の予備知識がなかったからかもしれないが、こりゃ、驚いた。こいつは「スペオペ(=スペース・オペラ)」ではないか。

超文明を持つ種族がいて、宇宙を3,600のセクターに分割し、それぞれの中から選抜されたメンバーに意志の力を自在に操れる「パワーリング」を与え、宇宙の平和維持にあたっている。そんな設定だ。とっさに思いつくのは、スペース・オペラの元祖的な作品と位置づけられる「レンズマン」のアメコミ・スーパーヒーロー版といった感じである。全宇宙から様々な種族が集まるなか、地球人が原始的な種族としてバカにされているっぽいところも、たいへん面白い。

が、まあ、残念なことに、面白いのは設定だけで、映画はその面白さを活かすことができていない。

もちろん、「全宇宙的規模スケールの事件に巻き込まれ、次第に頭角を現していく主人公」の話に、ときおり、「異星人にスーパーヒーロー・セットを与えられてご近所の問題を解決するダメ男」(←パーマン)みたいな話が混じってくるのは良いとして、せっかくのスケールが小さいところ小さいところへと収束してくる話の作り方にしたのは失敗だろう。

だって、全宇宙の脅威と組織の総力をあげて戦う、といっていたのに、尖兵にされた不憫なダメ科学者を死に追いやり、不死の種族が転じた化け物を一人で太陽にぶち込んで燃やしてオシマイ、ってなんだよ、それ。

恋人はともかく、家族(兄弟や甥)、友人のエピソードは不要。既に一刻を争う自体が起こっているはずなのに、主人公をのんびりと訓練しているチグハグさ。あー、よくこんな脚本にゴーサイン出したよな。

画面中がCGIで埋め尽くされているのは作品の性質上仕方があるまい。ポジティブな面で考えれば、3D感は比較的よく出ていること、主人公のスーツを、物理的な衣装ではなく、CGIで表現するという目新しい手法の面白さか。主人公のライアン・レイノルズは、デッドプールを演じさせられた時よりはマシな扱い。ティム・ロビンス、ブレイク・ライブリー、ピーター・サースガードあたりまでは顔がわかるが、マーク・ストロングやティムエラ・モリソンは、それと知っていないとわかんないよ。

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