3/22/1999

The Mod Squad

The Mod Squad

刑務所行きを逃れる見返りに、潜入捜査をすることになる不良青年3人を主人公とした人気TVドラマ(1968-1973)の設定をリサイクルして映画化。日本でも「モッズ特捜隊」とかいうタイトルで一分が放映されたそうなのだけど、これは残念ながら見たことがない。今回は、主演にクレア・デ-ンズ、ジョバンニ・リビーシ、オマー・エップスをキャスティング。脚本・監督はこれが2本目のほぼ無名なスコット・シルバー。

不良青年たちが潜入捜査をさせられるところは一緒。ドラッグ取引と売春が横行するクラブに潜り込むのだが、捜査をすすめるうち、自分たちをリクルートして潜入捜査を依頼した刑事が、射殺されてしまう。どうやら、押収したドラッグの横長しが絡んでいるようだ。これにショックを受けた3人だったが、事件の真相を暴くため、自らの意思で行動を開始するという筋立て。

まあ、人気ドラマのリメイク企画で、ティーン・アイドルの活躍するアクション活劇を作る枠組みとしては悪くないんじゃないか、と思う。人気・実力共に抜群とまではいわないが、そこそこ知名度が高く、最近比較的目立っているキャストも揃った。

いや、しかしね。これだけの素材を与えられて、こんな映画にしかならないってのは、作り手は相当のヘボだね。監督は、脚本兼任なんだから言い訳はいいっこなしだ。

犯罪暦のある不良少年たちが潜入捜査に雇われるというのは、現実味はないが、いいんだ、そんなこと。「警察バッヂも拳銃ももたないが、警官の入り込めないところで素性を知られずに潜入捜査をするチーム」っていう設定を活かせる話を作れなかったのが敗因。

主演の3人のキャラクターも描けていない。紅一点のクレア・デーンズにはかつての恋人との再会と裏切り、ジョバンニ・リビシには彼を蔑んだ目で見つめる両親との葛藤などという思わせぶりな設定を用意しているが、物語にうまく絡めることができていない。

若者受けするスタイリッシュな作品にしたいという監督の意欲は空回り。これを見ると、ほら、さんざん馬鹿にされる「ミュージック・ビデオみたいなチャカチャカした映画」っていうのにも、それなりのセンスと技術がいるんだということが分かったよ。

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